252回仏滅会報告

第252回仏滅会レポート
福島 賛

1月8日に発出された2度目の緊急事態宣言が、2月2日には大阪を含む10都府県について3月7日まで延長された。イベントや集会に引き続き感染対策のための自粛をもとめられる中、会場をお世話いただいた田村さんによる通風等の配慮の元に第252会仏滅会が大阪梅田エステートビルにて開催された。体温測定も行なった。
最初の発表は吉村さんの「英国駐在時を振り返る~駐在員がみたロンドンとホームズ」から始まった。ちょうど10年前の2011年3月からおよそ6年間、英国に滞在されていたご経験を基にした発表である。日本人駐在員とその家族がよく住むエリアや、日本人がよく行く日本食のレストランがある地域も結構正典に登場するとのこと。銀行関係にお勤めだったこともあって、英国の銀行事情の一端を語り、現地のキャッシュカードを披露するなど、地図や写真も豊富に準備され、分かりやすくお話を展開されていた。
滞在期間中にBBCの『シャーロック』の放映があったことで、ちょっとした「ホームズ・ブーム」を実感されたといい、ロンドン博物館で開催された『シャーロック・ホームズ・エキシビション』も現地で体験されたという。当時博物館の外壁に踊る人形で「come here at once」と書かれていた話などは、いかにも英国らしいユーモアを感じさせた。ロンドン以外のホームズ・ドイルゆかりの地訪問体験など積極的で、聞いていた会員はほとんど皆英国に行きたくなったに違いない。今はまだ海外旅行自体が夢のまた夢の状態であるが、今回の騒動が収束したら、ぜひ会員皆で訪れたいものである。
各自で用意した飲み物と差し入れのお菓子によるティーブレイクの後、近況報告では、平賀さんから40年前に付けられた関西支部の名称についてのお話があった。例会の名称として使っている「仏滅会」は支部自体の名前としても通用するということは、筆者も初めて知った。
2番目の発表は眞下さんの「スキーによるアルプス越え(An Alpine Pass on “Ski”)」であった。コナン=ドイルが1894年にスイスアルプスをスキーで走破した記録はストランド・マガジンの記事になったが、それを原文で持っていらっしゃるので、ご自分で日本語訳して、解説して下さった。ドイルが使用した「ノルウェー式スキー」が具体的にはどのようなものだったかという話や、同時期日本にスキーを伝えたレルヒ少佐の話も交え、ホワイトボードでドイルが滑った全行程を示し、現地の地図や掲載写真を有効に活用して具体的なイメージが沸くような発表で、筆者などはまたスイスへ行きたくなった。
ベデカーの旅行書(1907年のポケット版)や1968年のスイス・ツアーの記事が載ったシャーロック・ホームズ・ジャーナルなど、貴重な資料も回覧された。後日WEJなどでの発表があれば、来られなかった会員の方はそれを楽しみにしていただきたい。
 当初は長谷川さんが幹事の予定であったが都合で副幹事予定の出嶋さんが司会をつとめてたお陰で会の進行も滞りなく進んだことも報告しておかなくてはなるまい。公式2次会は当初から予定せず、関西支部用語の友引会、見吉さんが幹事で希望者だけ堂島のイタリア料理店へ向かった。夜8時までの時間制限がもどかしい限りであったが、このレポートを書いている現在はようやく緊急事態も解除の方向で検討されている。4月の例会は会員が安心して出席できるようなもっと通常に近い形で開催できれば良いと願っている。