第258回仏滅会報告

2022年2月5日の仏滅会は寒風のなか、阪急梅田駅のすぐそばの梅田エステートビルにて開催された。
 幹事西岡の胃が不調、副幹事は欠席という、予期せぬ事態もあったが、新型コロナまん延防止等重点措置が発出されている中、まずまずの出席者が集まり無事仏滅会は開始された。
 まず、林 庄宏さんの発表、「The Six Napoleons ノート」 ホームズの物語の中でも人気の高い「6つのナポレオン」をまな板の上に載せ、その中にある色々な疑問を明らかにする、という内容だった。
 そもそも、ナポレオンの石膏像とはどういうものであったか?その大きさは?作り方は?その値段は?と色々な「謎」を提示されて興味深かった。
 また、石膏で作られたものの中に真珠を埋め込んで大丈夫だったのか、という疑問にはうなずかざるを得なかった。他の「石」である宝石と真珠は性質が大きく違って石膏の成分によって変質しかねないということだ。真珠のアクセサリーは汗で痛むから、とつけるたびにきれいに拭くように注意している自分としても、石膏で固められてしまった「ボルジア家の黒真珠」は無事だったのだろうか、と考えてしまう。もしかして、今よりはるかに価値の高かった真珠について、ドイルはあまり知識がなかったのかもしれない。
 休憩、自己紹介の後には貴重な写真や資料が出席者に回され、森田由紀子さんの「シャーロックホームズ空白の3年間。なぜチベットなのかそしてその潜入ルートは。」が発表された。
 森田さんが以前実際に訪れられたチベット、ネパール、ブータンについての詳しい説明があった。実際にその地を踏まれ、多くの写真も撮られている森田さんのお話は興味深く、中でもネパールで起きた大地震の際、ちょうど現地におられたということに大変驚いた。
 有名な世界遺産もあり、名前は知っていても我々にはあまりなじみのない地域の実際の姿を教えていただいた。 そして、「空白の3年間」でホームズはどういう行動をとっていたか。
 どういうルートでそのころ外国人が入りづらかったチベットへ行ったのか実際にチベットに到達した日本の河口慧海のとったルートを参考に考察されていた。
森田さんは実際にその地を訪れた人ならではの視点でホームズの「冒険旅行」を生き生きと語られた。
 会はこれで無事終了したが、仏滅会名物(?)の二次会は「まん防」のため残念ながら中止となった。次回には二次会に集まってホームズを肴にワイワイと語り合いたいものだ。