本を集める人

 4月2日のテレビ「探偵ナイトスクープ」で、収集した本の重みで二階が抜け落ちた、という放送がありました。
 テレビの探偵さんたちは皆、驚いていたようですが、我々本好きには思わず、尊敬!という依頼でした。
 集めた本の重みで床がたわむ、という話はよく聞きます。でも、まだ「床が抜ける」というのは聞いたことがありません。それは本好きの悪夢です。
 私のうちはもう古いので、本を買うたびに家族から「しまいに床が抜ける」と非難されていて、時々不必要な本は処分するようにしています。それでも、ホームズ関連の本は処分できず、また、ドイルの版権の切れた今、ホームズ本は次々と出版されます。場所的にも、金銭的にも悩ましい限りです。
 わたしめなど、本の収集家を自任するほどのものではないので、「床が抜けるほどの本」を集める人を尊敬してしまうのです。
 しかし、放映が進むにつれて「??」マークが出てきました。その方は本を集めるだけで決して読まない「保存マニア」なんだそうです。本を買って持っているだけで満足なんだそう。それって、もったいなくない??
 プラモデルとかフィギュアの収集をする人の中には使うものと保存するもの必ず2つ買う人がいるそうですが、この方は持っているだけで満足されていたようです。落ちた本を見てもきちんと包装され、本屋さんのバックに入ったままでした。稀覯本を収集するというわけでもなく、本を並べて美術品のように鑑賞していたわけでもなさそうです。
 本を集める人は本を読むのが好きな人だと思っていました。買ったままで手を付けないで、何が楽しいのだろう、と考えてしまいました。長年の間、時間とお金をかけて本を買って自宅の二階にそのまま積み上げていたのです。いろんな「マニア」が世の中にはいるもんですね。
 その人がそれで満足されていたのなら、他人がどうこう言うことではありません。わたしめは基本、買った本は読みます。本は読むためのもの、物語や情報を詰め込んだものと思うのです。図書館や本屋に並ぶ本の背表紙を見ると膨大な量の物語があるのだと想像して呆然とします。その中で私が手に取るのはほんの一部です。
 近頃は買って自分のものにする本はどうしても選ばざるを得ません。ホームズ関連と思われるものも、前のように無差別に買うことはなくなりました。
 「探偵ナイトスクープ」の依頼者の方は落ちた大量の本を業者に売って、残したい本だけにし、その本を寝床の周りにぎっちりと飾っておられました。その様子を変だと思う方は多いでしょうが、私はな~~んとなくうらやましいと思うのでした。

2021年04月14日