12月６日仏滅会は二つの目出度い記念の会ですが、その３日前に通天閣と太陽の塔が真っ赤に衣替え。テレビで知事も不要不急の外出と５人以上の会食は控えるようにと。特に夜９時以降のアルコール禁止とのお達し
。楽しみにしていた人もおられましたがお店が閉まってしまうのでどうにもなりません。いつもなら、九州から見えた鬼丸さんを囲んでグラスを交わしたことでしょう。何というタイミングの悪さでしょう。二次会もキャンセルしました。
　会場は大阪でピカ一の中之島公会堂、コロナ感染防止のために広い部屋を予約しました。でも何人の方が集まって下さるのかと心配でしたが23名の出席ありホッとしました。40周年記念品のグラスも受付で配布しました。
　盛り沢山の行事のスタートは250回記念仏滅会の要旨が実行委員長の眞下庄作さんからご報告、ご挨拶がありました
① 曽根晴明さんにより「仏滅会250回記念特集」の記事をWEJに12回掲載した。
② 昨年12月第247回仏滅会で平賀代表から当日出席した新入会員の方に221回の記念ジョッキを贈呈した。
③ 昨年12月にシアターOMが大阪で公演したホームズ劇を会員有志で鑑賞した。
④ 2月の第248回仏滅会にシアターOMの俳優の方々が出席し、「《赤毛連盟》プロローグ」の寸劇を演じていただいた
⑤ 3月に公演予定の《赤毛連盟》がコロナウィルス感染防止の為に延期となり、7月に公演。《花婿失踪事件》が12月18～20日開催される
⑥ 6月6日の第250回記念仏滅会開催予定に合わせ追分のホームズ像の図柄の切手（63、84円切手4種類）60シートを作成し、６月仏滅会は中止したため、購入希望者に送付した。
⑦ 平賀代表がシアターOMに100年前の舶来品のシルクハット、ソフト帽子そしてガソジンを寄贈した。
⑧ 田中喜芳さんから40周年を祝して提供された「中之島公会堂」の絵ハガキを本日の出席者に配布、同じB4サイズの絵をオークションにかけ、落札者からの代金は関西支部に寄付。因みに長谷川さんが落札。
⑨ はやぶさ２は今朝早くカプセルを地球に届けた後、次の目標に向って11年も宇宙を飛び続けます、関西支部も負けずに飛び続けましょう。併せてに今回の記念仏滅会にロンドンのホームズ協会の前会長など５名からお祝いのメッセージが届いたことも披露された。（この内容はWEJ519号に原文のまま掲載されています）。眞下さんは関西支部の外務大臣でもありますね。
　続いて第１回仏滅会に出席された増市徹さんからのご挨拶です。当日出席者の中でも第１回に出れたのは増市さんだけでした。増市さんは当時大学生、その時の様子などお話いただきました。入会を奨められた方として当時の会員のお名前が何人も出ました。今は弁護士としてご活躍されています。増市さんには当日の副幹事上甲美紀さんからホームズの切手を記念に贈呈しました。
　以上で記念行事関係はひとまず終了。最初の研究発表は鬼丸武士さんの「スマート監視国家の史的起源―サーベイランスとホームズ」です。監視カメラ、電子認証などを通じて集められた情報は蓄積され更新されてそれが特定の個人に紐付けされる。それを可能にするインターネットや　GAFA　AI　ドローン　スマホ等のテクノロジーも沢山ある。中国の例をとって話されました。ある意味で大変アップ・トウ・デートな課題である。ならばホームズの時代はどうだったか？ 実はこれからが聞き所だったのですが紙面の都合で今報告では割愛。ぜひともWEJかSH紀要で近いうちに発表していただきたい。上甲副幹事からホームズ記念切手を贈呈しました。
　ところで鬼丸さんは今年九州大学の教授に就任されました。かつては仏滅会の中学生会員で小中学生で構成するベーカー・ストリート・ジュニアーズ会長でもあった由。お祝いとして翠川さんから黄金色のボトルに入ったブランデーが、見吉さんからもスコッチウイスキーの贈呈というサプライズもありました。いつもなら三次会の幹事を買って出ていただいていますが、自粛要請が出ているのでスコッチを進呈されたのでしょうか。
　その後のティーブレイク時に今回は福袋を出席者に贈呈しました。会員の皆様からの寄付やコレクション、書籍など、並んでいる中から自由に撮っていただく方式で、中身は幹事も知らず、開けてみてのお楽しみという趣向です。また、故南谷樹一郎さんから関西支部に寄贈された陶製のホームズ像（奈良大会でも展示）や、豊中市にあったパブ・シャーロック・ホームズの看板、モスクワのホームズ像やロンドン・オデオン座の壁画といった写真パネルなどが展示されました。
　そして後半のスタートは平賀三郎さんの発表「「名探偵が見逃した事件の謎」です。
　まず《まだらの紐》でホームズはヘビを使ったトリックを推理しましたが、このトリックは成立しないとすでに会員の動物学者実吉達郎さんが指摘しています。《赤毛連盟》の地下道のために掘り出した土砂はどこに捨てたか？ そして《マスグレーヴ家の儀式》の木の高さを基に歩測してはじき出した場所は木の成長を考慮していないと植物学者の辻井達一さんが指摘している。 《オレンジの種五つ》の殺人の動機など。このテーマもすでに発表されている件の総まとめです。
　平賀さんによれば動物学者が蛇のトリックは成立しないと言い、植物学者は歩測のスタートとなった木の陰の位置は怪しいといっています。これを知っているのにそれから一歩も進まず、なのに日本のホームズ学者は、それなら本当の所は何かと言う総合的考察には踏み込もうとしない異を論じています。
　最後に次回の幹事長谷川明子さんから２月６日（土）梅田エステートビルでとのアナウンスがありました。
　以上で仏滅会の予定行事は終了。一度はキャンセルした二次会を急遽再予約して１１名参加、３テーブルに分かれて静かな宴を楽しみました。帰路は中之島公園や御堂筋のライトアップが華やかで綺麗でした。