仏滅会報告


第279回8月箕面仏滅会報告
田村 耕三

お盆前3連休の中日8月10日の日曜日に、大阪地下鉄御堂筋線の終点(正確には北大阪急行線の終点)箕面萱野駅北改札から屋根伝いに徒歩2分、箕面市民センターの会議室にて、仏滅会が行われました。雨の中、多くの方に来ていただきありがとうございました。幹事の田村から報告させていただきます。なお、箕面というと滝があり、スイスのライヘンバッハの滝を連想される方もいらっしゃるでしょうが、それは阪急箕面駅の方であり、残念ですが萱野駅からは少し離れています。
 午後1時開始前にも多くの方に集まっていただきました。車でお越しの方には、駐車場待ちでご不便をおかけしました。
 1時15分開会とともに、最初の発表者林庄宏氏による「The Copper Beeches ノート」の講演開始です。「ぶな屋敷」に登場するヴァイオレット・ハンター嬢に焦点を当ててgoverness(女家庭教師)の解説です。義務教育以前のこの時代では、中流階級の教育は家庭でするものというのが常識で、14、5歳で学校に入る前までは、governessに頼っていたそうです。住み込み(食住付き)で、語学と一般教養(音楽、美術他)、優雅な振舞い方などを担当しています。個人的には、数学理科がないのが残念です。歴史地理などもなかったのでしょう。governessになる方は中流階級の20~30歳の女性(Lady)で、恥ずかしくなくお金をもらえる唯一の職業です。ただし、魅力的な女性には雇用主の奥方からNGが出るそうです。
 貨幣価値は10年単位で大きく変化しますが、当時の1ポンドはおよそ24000円らしいです。それを踏まえて、governessnoの年収は25~40ポンドです。それで、衣装代、交通費、通信費なども賄うようです。8
  楽しい講演の後は、お茶休憩、自己紹介の時間です。数名から最近出版された書物の紹介もあり、渡辺利枝子さんから次回奈良仏滅会の紹介もありました。
 15時30分頃から次の講演です。外海請規氏から「霧の国からこんにちは コナン・ドイルと心霊界隈」のタイトルで、チャレンジャー教授シリーズのお話です。第1次大戦後の不景気な世の中でインチキ霊媒師の暗躍が多く、個人的な感想ですが、インチキ宗教のようなものではなかったのでしょうか。殺伐とした世間で多くの民衆は、既存のキリスト教などでは救いにならず、霊媒師に頼る風潮になったのでしょう。その中には本当に霊を呼べる方もいたでしょうが、ほとんどが偽物です。これを煽ったのが、騙されやすい科学者です。霊を呼ぶ会では、科学者を好んで呼び、本物という裏付けを求めたのですが、逆に、同席を嫌ったのはいわゆるマジシャンです。トリックが見破られますから。クリスティーをはじめとして第1次戦後を舞台とする作品にはこのような話が散見されます。ドイル夫人が本物の霊媒師であったかどうかは永遠の謎でしょう。
 さて、会議室は17時までで、2次会会場の「ドルチェ・モスカート」へ移動です。徒歩3分ほどですが、途中に信号もあり、雨の中の移動では会員の皆様にご迷惑をおかけしました。次回があれば、濡れずに行ける会場を用意したいと考えています。
 このお店では、前菜のサラダ、バケット、ライスコロッケ、2種類のオムレツ、2種類のチキン、2種類のパスタ、パエリア、2種類のピッツアが大皿で提供され、取り分けてもらっていただきました。アルコール飲み放題付きで会費は4000円でした。高校生は半額ですが、かなりの余剰金が発生し、幹事の独断で、関西支部に寄付をしました。 19時30分解散は、時間厳守で、最後のコーヒータイムが十分にとれなかったことは反省しています。

 幹事から参加の皆様に感謝をささげて、報告を終わります。