管理人室

サグラダファミリアの魔方陣(管理人スペイン道中記4)

image29

 イベリア半島南のマラガから北上してきたこのツァーも最後の訪問地バルセロナに来た。
地中海に面した一大港湾都市であり、カタルーニャ地方でも歴史ある大都市だ。
 特急列車でバルセロナに入り、早速市内観光となった。真っ先に案内されたのはバルセロナといえばあのガウディの代表作であり、世界遺産であるサグラダファミリア教会だ。この建設開始から140年以上たつ未完成の大聖堂はこのツァーの目玉でもある。
 ここでガウディについて詳しいという現地ガイドさんと合流した。ガイドさんはバルセロナ在住の日本人でガウディが好きでバルセロナに住んでいる方だ。そして自らガウディオタクであるとおっしゃった。(好感度が一挙に上がったのは自分もオタクになりやすい体質だからだ。)
 近くで見るとファサードいっぱいに飾られた彫刻群はやはり迫力がある。ガウディの生存中に完成され、同じく完成していた地下礼拝堂とともに世界遺産になっている有名なファサードだ。数多い彫刻はそれぞれイエスの生誕の物語を表し、そのなかに神秘的な表徴を隠している。

聖母子像とはと


 彫刻群の中でもひときわ美しい、聖母子の像の赤ちゃんのイエス様の頭の上に鳩がとまっていた。下から見るとマリア様がその鳩にやさしく口づけているように見える。ガイドさんがガウディについて色々お話くださっているのにわたしはその失礼な鳩が気になってしかたなかった。
 よく見るとファサードの柱の基部に大きなかめさん。その他にも動物やら鳥やら虫やらいろいろな動物が飾られている。びっしりと彫刻に飾られた聖堂は他にも多いが、このように生きとし生けるもの全般がいるファサードは初めて見た。あの鳩も生き物(実際に生きてる)の一つだ、許そう。(何をえらそうに。自分)
 聖堂の内部は木々を表していると言われる柱が天井に向かっていくつも伸びて、そこにステンドグラスから自然光が差し込んで夢のように美しい。正面の祭壇上の金色の輝きも自然の光の反射だ

 聖堂を出てすぐのところが「受難のファザード」だ。三つのファザードの内、未完成の「栄光のファザード」をのぞいて完成しているファザードで、ここはやたらモダンな彫刻に飾られている。キリストの受難の物語があらわされているのだが、ここへ来て「謎」を見つけた。
 出入り口の上には二つの三角形が底辺をくっつけて上下に並べたような紋章がある。なんだ、これは。
 そして、エスがユダの裏切りを受けるシーンの下部に数字を書いたプレートが彫られている。私の物好きな興味がむくむくと沸き上がる。魔方陣だ!縦4,横4の16のマス目のそれぞれに1から16の数字が入り、その縦、横、斜めの数字の合計が同じになるという。科学と魔法が同列に考えられていた中世の昔には神秘的だと考えられていた。
 ガイドさんは三角の紋章については解説してくださった。三角の紋章はキリスト教における「誕生と死」をあらわす「アルファ、オメガ」なのだ。しかし、魔方陣については解説ナシ。気になる~~。よく見るとその4×4の魔方陣には12と16がなく、10と14が二つずつある。これってアンフェアじゃない?私が4×4の魔方陣として知っているのはデューラーの版画「メランコリア」に描かれた魔方陣だ。そこにはこんな「ずる」はないぞ。
 あとで地下のお土産屋さんできっちり三角の紋章と魔方陣のグッズを手に入れた。
 実はわたしめ、子供の頃からこういう「神秘的なもの、不思議なもの」について多大な興味を持っていた。小学生の頃「不思議だが本当だ」系の本を読み漁り、今ホームズ物にたどり着いたのもその延長といえる。もちろん、いわゆる悪魔を呼び出すという円形の「魔法陣」に凝ったこともある(!)数字の魔方陣について知ったのも小学生のころで、3×3の魔方陣なら生意気にも一時いじくっていたことがある。あのころはまだ、数字が好きだったのだ。今のように数字が苦手になったのは学校で「数学」を勉強するようになってからだ。(と、数学嫌いを学校のせいにする)デューラーの版画に興味を持ったのも描かれている天使さんが男前だっただけではなく、魔方陣はじめ神秘的で表徴的なものがびっしり描かれているからだ。
 あとで調べたところ、4×4の魔方陣は縦横斜めの数字の合計が34になるはずが「受難のファサード」の魔方陣は縦横斜めの数字の合計は33になっている。これはイエスが磔になった年齢を表しているらしい。そのため、ユダの裏切りのキスを受けるイエスの像の横にあったのだ。
 通常34になる魔方陣の数字を33にするために10と14を2度使うというイレギュラーが起こっているわけだが、わたしよりもっと物好きな人がいて、のちに合計が33になる4×4の魔方陣を発見した人がいるという。(それでも通常1からの数字なのに0が入り、4が欠けている。これもイレギュラー)
 サグラダファミリアには他にも神秘的な表徴があるらしい。設計者ガウディもかなりな物好きだったというが、その後を継いだ世界各国から集まった建築家や芸術家のなかにも物好きが多いのだろう。
 このオタクども(失礼!)が作った壮大な芸術作品は、来年の2026年に完成するという。まだ形のない「栄光のファサード」がどんなものになるのか、そこにどういう表徴が隠されているか。実に楽しみだ。(きっと私は再訪するのは無理だろうけど。)
下の画像 右;「受難のファサード」の魔方陣 左;デューラー画「メランコリア」の魔方陣


 

2025年03月14日

エル・グレコの風景

image27

 エル・グレコ(1541年生~1614年没)の絵を初めて見たのは倉敷の大原美術館で、だと思う。なにせ昔の事で記憶も定かではないのだが、大原美術館には彼の「受胎告知」という絵がある。それ以来、エル・グレコは私のお気に入りの画家になっている。
 スペインへ行きたい、と思ったきっかけの一つはエル・グレコの画集にあった、トレドの写真だった。彼の描いたトレド風景の絵と実際のトレドの写真を並べてあったのだが、中世に書かれた絵と現在の都市の風景とがほとんど変わらないのだ。
 いくつもの国に分かれていたスペインの首都がマドリードに定められるまでの長い年月、首都とされていた。日本でいうと京都のような都市がその姿を何世紀もの間ほとんど変えていないとは。私はこの古都トレドを観たいと思ってしまったのだ。
 トレドは湾曲するタホ川に三方を囲まれた岩山の上に築かれている。そして、残りの一方は高い崖になっている。つまり、防衛に最適な場所なのだ。以前、訪れたチェコのブルダバ川に囲まれた小都市チェスキークルムロフも同様だった。しかし、それより、「城塞都市」の感が強いのは、タホ川が深い谷を作っているせいだろう。
 観光客は北側の崖下から街に入るが、見上げるような崖に今はエスカレーターが付けられている。これが無ければ街に入るだけでも一苦労だったと添乗員さんが言った。
 「中世の人が現在に来ても、ちゃんと自分の家に帰れると言われています。」と添乗員さんがいかにこの街が変わらないかというエピソードを披露してくれる。この街は古代ローマ時代より、多くの他民族の支配下にあって、西欧の人々にもかなりエキゾチックに感じる景観らしく、多くの観光客が訪れる。遠くギリシャの出身であるエル・グレコ(ギリシャ人という意味)もこの都市を愛し、ここに住んだ。彼は中世の画家の常のように、教会や貴族の注文を受けて宗教画や肖像画を描く画家だったのだが、この街の風景を数多くの作品に忍ばせている。
 さて、ようやく街なかに入る。イスラム圏の街のように街路は、細くくねくねと曲がり、さすがに「迷宮都市」の名にふさわしい。ここに「おのぼりさん」の我々(特に私)が放り込まれたら迷子は必須だ。そこで添乗員さんに必死でついて行く羽目になる。
 観光名所である、トレド大聖堂の次に小さな教会に入った。なんだか人が多い。と、正面の祭壇を見て、あっと声を上げそうになった。壁一面の大きな絵はあのエル・グレコの「オルガス伯の埋葬」ではないか。グレコの代表作はここにあったのだ。不覚にも予見していなかった私めには大きな驚きだった。
 サン・トメ教会に埋葬されているオルガス伯爵はこの旧いムデハル様式(イスラムとカソリックの混合した様式)の教会を再建し、ここに埋葬されている。その彼のお葬式の様子だ。上半分は雲の上でキリストや、天使たちが彼の魂を迎えるために集まっているという、グレコ特有の幻想的な光景で、下半分はお葬式の様子がリアルに描かれている。美々しい甲冑姿の故オルガス伯の顔は死者の灰色で痛々しいが美しい。これも美々しい衣装を着けた聖職者が遺体を運んでその背後に黒い正装の人々が参列している。彼らの顔が皆きちんと描かれているのは集団肖像画の意味があるのかもしれない。この絵を実際に観られただけでもトレドに来たかいがあった。
 トレドを出た後、いよいよタホ川の対岸の展望台へバスで向かう。私の旅の目的の一つ、グレコの絵と同じ場所から写真を撮ることができる場所だ。ところが、多くの観光バスや車が集まっているために、展望台の近くに駐車できる場所がない。結局、そこからかなり離れた場所にバスが止められるはめになった。
 そこからもトレドの街の全景は見ることはできるのだが、私が思う角度ではなかった。そこで、さっきの展望台のところまで短い自由時間の間に走って戻ることにした。
 エル・グレコの絵にはタホ川を渡る古い橋が描かれている。その橋を遠く望むところがいい。ところが展望台の所まで戻っても橋は見えない。もっと先へタホ川沿いに行かねばならないのだろうが、その時間はなかった。仕方ない。そこから街の風景をカメラに収めて、今度はバスが待つ所まで走ることになった。なんともせわしない。でも、お仕着せのツァーなら、仕方ないか。
 陽光の中に輝く古都トレドはさすがに美しく、まさに絶景。何度も支配者を変えながら、その姿を保ち続けたトレド。この風景を観に、私はこのツァーに参加したのだ。

2025年02月20日

聖母の為に鐘は鳴る(管理人スペイン道中記2)

image23

 マドリード。このスペインの首都の中心である、堂々とした王宮を見学している我々観光客の他に王宮前の広場に多くの人がいる。こちらの正装であるという、黒いドレスに高く髪を結い上げて大きな櫛とベールを飾った女性たちも多い。いわゆる、スペインの伝統衣装として思い描くそのままだ。男性も黒い服と帽子に身を包んでいる。大きな花束や旗、飾り物(何と言うか知らない)を手にしている人もいる。人々は続々と王宮の隣に建つ大聖堂に向かって行く。
 「今日はお祭りですね。ミサがあるようです。」添乗員さんがそう言ったとき、突然大きな鐘の音が響いた。大聖堂の鐘が鳴り出したのだ。これまでの旅行で教会の鐘の音は聞いたことはあるが、このような音は聞いたことがない。空気全体がびりびりとふるえている。鐘楼の巨大な鐘が一斉に動いていのだ。この大都会の上に広がる青空いっぱいに鐘の音が広がって行く。ミサの合図なのかもしれない。
 聖堂の前で鐘の音を聴く人々は盛装の人が多く、皆笑顔だ。伝統衣装の他に前世紀初めに戻ったような粋な服装の紳士、淑女たちもいた。高揚感のある華やかな雰囲気は、やはり「お祭り」だからだろう。
 やがて大聖堂から一台のみこしがしずしずと大通りに出て来た。白い衣装のたくさんの人々に担がれ、その上に花に囲まれたマリア様の像が乗っている。そのみこしの後には大勢の黒い服の一団が飾り物や旗を掲げてついて行く。このマリア像がマドリードの守護聖母である、アルムデナのマリア様。このマリア像はその昔、マドリードがイスラム勢力に支配される前、破壊を恐れて城塞の壁に隠されたのだとか。その後レコンキスタによってカソリック側に都市が取り戻された時、奇跡的に壁の中から発見されたという。アルムデナという名はアラブ語の「アルムダイナ(城壁)」から来ているらしい。(これは後で調べた)
 スペインが今も強固なカソリックの国であるのは、イスラム勢力から長い年月をかけて国を取り戻したという歴史があるからだろう。
 美しい神輿は粛々と交通規制された大通りを進んでゆく。
 こちらのお神輿は日本のと違って静かに行くんだな、などと感心していると、いきなり後ろから肩を叩かれた。添乗員さんだ。「やっと見つけた!」どうやら私はお祭りに気を取られてツァーのグループからはぐれてしまっていたらしい。皆さんに迷惑をかけてしまった。反省。

2025年02月04日

シエラネバダの雪(管理人スペイン道中記1)

alhanbra

 

「どうぞ目線を上げて蒼穹に浮かび白い夏雲のように輝いている冠雪の頂をご覧ください。あれがまさしくグラナダの誇りであり、歓びでもあるシエラネバダ山脈です。」(W・アーウィング アルハンブラ物語より 齊藤昇訳)
 「今日はシエラネバダ山脈が見えていますよ。」と添乗員さんが青空の向こうを指さした。茶色の岩山の連なりの上に真っ白な山塊が見えている。
 東の彼方の国で暑い夏を過ごした後の11月。アフリカ大陸に近いヨーロッパでも南のこの地で雪に覆われた高山を見るのは少しばかり驚きだった。何だか信州みたい。といつか見た遠い日本アルプスを思い出す。しかし、その手前の風景はあの緑の山稜と瑞々しい木曽川の流れの風景とはここは全く違う。陽に炙られ、ろくな樹木も生えない岩山の向こうに奇跡のように雪をまとった山々がある。山々に神の姿を見て、「一座、二座」と数える東洋の島国の人間として、思わず伏し拝みたくなる山々だ。
 スペイン アンダルシア地方 グラナダ。丘の上に建つ、アルハンブラ宮殿にやって来た。私が死ぬまでに観たいと思い焦がれていた世界遺産だ。
 外観は赤っぽい石の四角い壁が連なっている、どっちかというと無骨な城だ。しかし、ここはスペインの最後のイスラムの土地。建造物は外観を飾らない。
 その内部は今までさんざん、写真や映像で見て来たはずだったが、建物に足を踏み入れた途端、思わず圧倒されてしまった。
 ごつごつした貝殻の中に光を纏う真珠母を思い起こす。レースのように細やかな壁や柱の装飾。何より鍾乳石飾りと呼ばれる天井の装飾。全てがこの上なく繊細なのだ。月並みだが頭の中にアランフェス交響曲のなかの「アルハンブラの思い出」が流れる。あのギターの音色が繊細なトレモロなのは実に正しかったのだ。壁のタイルが、天井の鍾乳石飾りが、ほっそりとした柱が、繊細な音楽を奏でるようだ。
 青空から降り注ぐ陽光に満ちた中庭には涼しげな池が作られ、鏡のような水面が建物をさかさまに映し出しているそれは他のヨーロッパの金や彫刻や華やかな絵画に彩られた豪奢な宮殿よりも静かで豊かな美しさに満ちている。ここはスペインの中でも異世界なのだ。栄華を誇ったイスラムのナスル朝。やがてレコンキスタ(カソリック勢力の失地回復運動)の波の中で滅びゆく運命であった王国の有終の美ともいえる宮殿なのだ。
 宮殿の中にアメリカの作家、アーウィングが滞在した部屋があった。彼はアルハンブラに魅せられ、当時は荒廃していた建物の一室を自費で修復してそこに住んだ。その部屋で幻想に満ちた滞在記「アルハンブラ物語」は書かれた。残念ながらその部屋のドアは閉ざされて立ち入り禁止の看板が立てられていた。今のように美しい世界遺産ではなく、鳥や浮浪者や幽霊(!)がうろついていたアルハンブラだが、宮殿を独り占めしていたとは、うらやましい。現代のわれわれはひしめき合う多くの観光客の一人となってこの奇跡の宮殿を見せていただいている。
 宮殿の見学のあと、向かいの丘の上にある、これも世界遺産であるフェラリネーフェ離宮も見学した。こちらも随所に水路や噴水が作られ、みっしりと植物が植えられている。建物の窓からは絵画のようなアルハンブラ宮殿と山々が見える。
 グラナダ最後の王ボアブディルは押し寄せるカソリック両王の軍勢の前にグラナダを荒廃させることを恐れ、戦わずしてアルハンブラ宮殿を明け渡す。スペインを追われた王は最後にアルハンブラの丘を振り返り、目に焼き付けたという。ここにイスラムのナスル朝は滅亡し、スペインをイスラムの支配から解放する、というカソリック勢力のレコンキスタは完了した。
 そんな歴史の悲哀など関係なく、アルハンブラは明るく、美しい。よくぞ、この宮殿を守ってくださった。今、私は戦わずして負けた「エル・チコ(小王)」という汚名を着たボアブディルに感謝している。彼のおかげで花咲く庭園の噴水は遠いシエラネバダ山脈の雪解け水を今もきらきらと吹上げている。

2025年01月19日

灰色のロバに会いに

image16

 スペインの詩人、ファン・ラモン・ヒメネスが書いた詩文集「プラテーロとわたし」に出会ったのは小学校の図書室でした。
ホームズの物語やそのほかの探偵たちが活躍する本と出合ったころより少し後の事だと思います。その時も長新太さんの特徴的なイラストに惹かれたのだと思います。
その本はその頃私がむさぼり読んでいた(本当にごはんを食べるのも忘れて本をよんでいました)他の本とは違っていました。短い文章と長さんの優しげなイラスト。ストーリーらしきものはありません。でも、そこにはそれまで知らなかった世界がありました。
 真っ青な空に容赦ないほど輝く太陽。遠くに見えるごつごつと連なる岩山。乾いた大地に立つ白い家々。その太陽が照り付けるが故に深い影を作る戸口の中にはそこに根付いて暮らす人々がいます。人々は貧しく、子供たちは決してきれいとは言えない衣服から日に焼けたお腹を見せてはだしで走り回り、しかし、幼いながらそれぞれの夢を持っています。
 白い家のパティオ(中庭)には深い井戸。広場には太陽にきらきらとガラスのように光る水を噴き上げる噴水。それこそ、変わらない「日常」の物語。
 スペインはアンダルシア地方の光景は湿気の高い日本に住む私にはまさに異郷でありました。その時からアンダルシアは私のあこがれの地となったのです。
 ホームズ物語にはまり、ついにJSHCの会員になっても一番行きたい外国はスペインでした。ロンドンには縁あって関西支部の方々と行くことが出来ました。私の英雄、フリードリヒ二世のお墓のある、ポツダムはサンスーシー宮殿にも行きました。
 そしていよいよ我が妹とスペイン旅行を計画した矢先、コロナ禍がやってきました。
 スペイン旅行を計画した時からすでに7年。あの本にであってからは半世紀以上。ようやくスペインに行くことができました。
 お仕着せのツァーです。やはりヒメネスが愛した「お月さまの銀の色」をしたプラテーロのようなロバに出会うのはかないませんでした。でも、あの抜けるような青い空とギザギザの岩山の風景を観て来ました。

2024年11月30日

旅の理由

 「聖地巡礼」という言葉はご存じでしょう。近頃よく聞きます。自分が関心を持つ、映画やアニメやドラマ、小説など、また「押し」のゆかりの地を実際に尋ねる旅の事ですね。先日行われたJSHCの松山全国大会では映画「バスカヴィル家の犬」の撮影地を訪ねられたそうです。松山もホームズファンにとっての聖地なんですね。
 「聖地」とは自分が大切に思う物語の舞台であると思うのです。そこをこの目で見たい、と憧れて実際に訪れるのは大きな喜びです。前にも書いた「ここよ!」と言える旅です。
 以前、仏滅会の記念行事でホームズの「聖地巡礼」に行った話をしました。スイスのマイリンゲンと もちろん、ロンドンです。多くのホームズファンの方々が訪れ、ホームズの足跡を辿っておられます。
 そこで同じくロンドンを訪れながら、印象に残らず「どこを見たのか覚えていない」というおばさま方に会った、せっかくの旅行なのにもったいない、と書きました。しかし、です。その方たちにも旅に出た理由があるはずです。高いツァー代金を支払って参加しておられるのだから、何かはっきりとした目的があったのでしょう。
 自分はホームズ物語が好きなのでロンドンとその周辺を駆けずり回って「ここよ!ここであの事件があったのよ。」と叫んで満足していました。それがおばさま達の旅する理由より価値のあるものである、というのはおこがましすぎます。旅行ガイドブックを見るとその街の見どころや名物、おみやげや、グルメなどたくさんの魅力的な記事が載っています。我々はそれらより、もっともっとホームズの物語というものに魅力を感じ、その現場を見ることに価値を見出しただけです。名所旧跡をめぐり、ご当地グルメを楽しむことも旅行のだいご味。「聖地巡礼」のほうが上等というのは傲慢でしかありません。
 今よりずっと旅が困難であった昔から人は旅をしていました。奥州の細道を行った松尾芭蕉さんも、イタリアを目指したゲーテさんも旅する情熱に憑かれて長い旅をしました。なんででしょう?今自分のいる安全な場所を離れて体力もお金もかけて。
 それはやっぱり楽しいからではないでしょうか。いつもとは違う景色やまだ見ぬものを観に行く。好奇心を満足させてくれる旅は冒険です。「冒険とは行って帰って来る物語だ」とテレビで冒険小説を解説していた方が言っていました。平凡な日常から冒険という非日常へ。そしてまた穏やかな日常に戻る。安全に旅のできる今も旅行とはささやかな冒険なんでしょう。そういえば、トールキンの名作「指輪物語」の主人公の記録も「ゆきて帰りし物語」になってましたっけ。(フロドさんの冒険は決してささやかなものではありませんでしたけど(;^ω^))
 さて、あの殺人的な暑さも和らぎ、空の色も深くなってきました。わたしめもまた旅という冒険に出たくなりました。
 今度の旅の目的は灰色のロバです。その話はまた別の機会に。

2024年10月27日

夢の話2

2.「何かがある」家


 時々、引っ越しの夢を見る。たいがい、今の家より大きな家に引っ越す夢だ。今の家の広さに満足していないのか自分は。
 夢で引っ越す家はいつも新築ではなくていわゆる中古物件だ。そして「変な家」なのだ。
 家自体は普通の戸建てなのに裏庭がやたらと広くて木や藪が茂っていてその庭に「何かがある」とか、モダンな造りの今どきの家なのにやたらと間取りが入り組んでいて迷路みたいだったり、内装がボロボロで土壁が崩れている家もあった。つまり、どこか「難」がある家なのだ。
 一番印象的だった夢の家はどうやら、古民家らしい。らしい、というのは外観が夢に出てこないからだ。古い民家によくある襖で仕切られた和室の続き間がいくつか並んでいるという造りで、その一番端の部屋の襖の奥に階段がある。部屋は廊下でつながっていて、これもよくあるように庭側に木枠のガラス戸が並んでいる。部屋の廊下側は障子だ。つまり、ちょっと大きめの田舎の家らしい造りなのだ。
 私は子供らといっしょにその一室にふとんをひいている。障子が空いていて廊下と暗い庭が見える。雨戸は閉まっていないようだ。夜だが、家の中は電灯がついているのか明るい。続き間の中ほどの部屋で、閉まっている襖の向こうには他の部屋がある。その片側の襖の向こうが押し入れに階段のある突き当りの部屋なのだ。
 私はその奥の部屋が怖くてたまらないのだ。別に何かがある、というわけではない。他の和室と同じ作りの何も変わったことのない部屋なのに、「何かがある。」という気がしてしかたがない。
 そして、私は自分に腹をたてている。せっかくいい家に引っ越したのに、意味もなく怖がるなんて、と。私は原因を突き止めようと隣の部屋に入ってみる。やはり電灯が煌々と照らす単なる和室だ。ややこしい影すらない。次に押し入れを開けて階段を登る。怖いけど決して負けない気持ちだ。ここでめげたらこの家に住めなくなるという気がしている。
 階段を登った先には奇妙な部屋があった。丸でもなく四角でもない多角形の天井の低い部屋でぐるっと周りに窓がある。窓の下には棚が作られていて何やら人が使っていたらしくいろんなものが突っ込まれている。そしきっちりと畳が敷かれている。狭いが、快適そうだ。この家は平屋なのだろう、窓の外は周囲が屋根になっている。つまり家の屋根の端にちょこんと飛び出た展望室のような造りなのだ。
 なんでこんな部屋があるのか、誰が使っていたのかわからない。でも私はここがなんだか「こわい」と感じる中心なのだと思う。
 特に何が怖いのかわからないのに、ただ、その場所が怖い。意味が分からない夢だ。ただ、その家はいやにはっきりと記憶に残っている。
 私の「怖い夢」はそういうのが多い。怖いと思う対象はちっとも出てこない。前に書いた、やたらと広い庭のどこかに「何か」があるような気がするという夢も同じような感じだ。別に茂った木の下に貞子が出て来そうな古井戸があるわけではない。
 夢で私はいつも新しい自分の家で快適に暮らそうと「怖い気持ち」に抗っている。主婦やもん、不吉な気配なんかに負けてはいられないのだ。
と言いつつ、本当はとっても怖がりなのだ。なんでこんな夢を見るのだろう。

2024年08月25日

夢の話1

 エドモントン


 このHPの趣旨とは関係ないかもしれないが、管理人室を再開するにあたってわたしめの不思議に思っていることから始めたいと思う。
 私はほとんど毎日のように夢を見る。しかし、後後まで覚えているような夢はあまりない。まあ、夢とは普通そうなんだろうな、とは思う。
 先日、奇妙な夢をみた。私がまだ若くて赤ん坊の長女を抱いている。その頃は旦那の仕事の都合でカナダに住んでいた。長女はそこで生まれている。
 私はどうやら日本から来た人たちを案内しているらしい。広い展望台のようなところで左手にロッキー山脈の山塊が連なり、右手には打って変わって大都会のビル群が見えている。その街が「エドモントン」なのだ。
 「エドモントン」と言う都市がカナダにある、ということは知っていた。しかし、昔私が住んでいたのは、大陸をまたいだはるか東、オンタリオ湖のほとりのトロントだ。エドモントンがどこにあるのかも知らない。なぜ、夢の中でその都市の名が出てくるのか。
 調べてみると、エドモントンはアルバータ州はロッキー山脈の東にあった。地図で見る限り、あの広大な国土を持つ国でそれほど山脈の近くにある都市ではない。もしかしてエドモントンからロッキー山脈は見えないことはないのかもしれない。しかし、あの展望台からはすぐ近くにあのごつごつと空にそびえる山塊と反対側には近代的な都市のスカイラインが見えた。
 大体、行ったこともない都市を夢に見るのも変だ。なんで、その都市の名前が出て来たのか。夢だから、なんでもありなのかもしれないが、あの展望台からの景色は壮麗で美しく、ありありと記憶に残っている。
 その後、夢は夢らしい変な方向に進んで、子連れの私は日本からの人たちを案内して「エドモントン」の博物館に行く。しかし、そこには「昭和な日本」の展示があって、昔懐かしい家具や物品が並んでいる、まったくの日本だ。つじつまが合うどころか、意味不明なところで夢は終わる。しかし、なんで実際に住んでいて、旦那の会社関係の日本人さんたちを観光案内していたこともある、トロントではなくて遠く離れた「エドモントン」なのか。奇妙な夢だった。

2024年08月21日

夢の国のホームズ

宙組公演ポスター

 宝塚歌劇宙組公演「シャーロック・ホームズ」を観て来ました。なんと!このわたしめが宝塚歌劇を、です。関西に住みながら、昔から女性ばかりの派手派手しい世界にはついてゆけない、と思っていたのに、です。演目が「ホームズ」でなければ興味も持たず、たまたまキャンセルされたチケットを手に入れなければ観てはいないでしょう。
と、いうわけで先日、宝塚大劇場まで出かけました。やはり、女性客が多く、グッズ売り場もかわいらしい物が多いです。宝塚のファンではないわたしめは少し気後れを感じてしまいます。
 さて、舞台は…。
 ヴィクトリア朝のロンドンの街、大勢の市民が切り裂きジャックが新聞社に犯行予告を出したというニュースに騒いでいます。迫力ある群舞です。そして、なかなかに凝った舞台装置で、舞台上のロンドンの街並みがぐるりと回転するといきなり、「221B」の文字が。そこにホームズとワトスンの部屋が現れます。
 早い舞台展開と素晴らしい音楽、ダンスとなかなかに引き込まれるミュージカルでした。もともと、男性の登場人物の多いホームズの物語ですが、女性が演じる彼らも慣れると気になりません。ホームズ役のトップスター真風涼帆さんが演じるホームズはやたらとかっこいい。
 ストーリーはホームズ物語の色々な要素をたっぷり取り込んで宝塚らしい恋愛劇も盛り込んでいます。冒頭の切り裂きジャックの正体、ホームズの女性嫌いなわけ、などホームズファンのわたしめにも興味深いです。最後はあの「ライヘンバッハの滝」でのモリアーティとの一騎打ちも!
 華やかな舞台に繰り広げられる、きらっきらのミュージカルでありました。
 次のレビュー「デリシュー!」もこれぞ、宝塚という華やかさで、美しい夢のような舞台でした。
 しばし、この世にはありえない夢の世界に遊ばせてくれる、それが宝塚歌劇なのでしょう。と、ちょっとはその魅力がわかった気になりました。

2021年07月21日

ホームズと世界遺産

 「麗しの五月」なのにコロナ禍で、追分フォーラムも中止になり、どこへ行く当てもなく家でくすぶっている時、思いもかけない朗報が舞い込みました。
 世界遺産に推薦されていた、奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島にIUCNが登録勧告を出したということです。これで、7月に開かれる世界遺産委員会で登録承認されることがほぼ、確実となりました。日本の24件目の世界遺産、5件目の自然遺産となります。おめでとうございます!(パチパチ)←拍手
 ホームズ氏のイギリスには32件の世界遺産があり、その内、大ロンドンと呼ばれる地域を含むとロンドンだけで4件あります。すごいすね~~。
 「ロンドン塔」「ウエストミンスター宮殿、ウエストミンスターアビーとセントマーガレット教会」「キュー王立植物園」「海事都市グリニッジ」大阪は2019年にやっと「百舌鳥、古市古墳群」が認定されて1件のみ。うらやましいです。
 ホームズの物語に関連する世界遺産と言えば、すぐ思い浮かぶのは「4人の署名」に出てくる、インドの「アーグラ城」と「高名の依頼人」でグルーナー男爵が「中国陶器」に関して口にする「正倉院」でしょうか。(まだあるかもしれませんが。)
 「正倉院」は言わずと知れた「古都奈良の文化財」のうち、東大寺の構成資産です。
 「アーグラ城」はムガル帝国のアクバル皇帝が首都アーグラに建設した城塞で、広大な敷地をもつ、「都城」です要塞として赤色砂岩で作られた無骨な作りの城塞だったのが、「タージマハル」を作った贅沢好きな5代皇帝シャー・ジャハーンが豪勢な大理石造りの宮殿やモスクを建てて華やかな城になりました。
 しかし、「4人の署名」の時代には「誰も出入りせんで、さそりやむかでの遊び場になっている(阿部知二訳)」ということです。戦乱によって荒廃していたそのころには、そこが「人類の宝」である、世界遺産になるとは誰も思わなかったでしょう。
 もちろん、ホームズの時代には世界遺産という制度はありません。アーグラ城塞も正倉院もただ、物語に彩を添えるエキゾチックは異国のものでしかないのでしょう。
 さて、ここで妄想です。ホームズ物語の重要な舞台となっている、べイカー街221Bが世界遺産になったら…。
 10ある、世界遺産の登録基準のvi(6)は「顕著な普遍的価値を持つ出来事、生きた伝統、または思想、信仰、芸術的、文学的所産と直接、または実質的関連のあるもの」ということです。ホームズ物語は「文学的所産」ではないでしょうか?もちろん、我々ホームズファンにはベイカー街は「聖地」と言えますが、「普遍的価値」という大前提があります。人類の中でホームズファンはどれくらい「普遍的」なのか?(>_<)
 世界遺産数が1000を超えた今、新しく登録されるのは年々難しくなっています。実際の場所も特定されていない221Bが候補になることはないでしょう。これは妄想にしておきましょう。
 残念!といったところで、もう一つホームズ関連の世界遺産があることに気が付きました。作者ドイルの出身地であるエディンバラは「エディンバラの旧市街と新市街」として世界遺産になっています。登録基準はii「文化交流」とiv「建築様式、建築技術」ドイルは全く関係ありませんけどね。

2021年05月16日

本を集める人

 4月2日のテレビ「探偵ナイトスクープ」で、収集した本の重みで二階が抜け落ちた、という放送がありました。
 テレビの探偵さんたちは皆、驚いていたようですが、我々本好きには思わず、尊敬!という依頼でした。
 集めた本の重みで床がたわむ、という話はよく聞きます。でも、まだ「床が抜ける」というのは聞いたことがありません。それは本好きの悪夢です。
 私のうちはもう古いので、本を買うたびに家族から「しまいに床が抜ける」と非難されていて、時々不必要な本は処分するようにしています。それでも、ホームズ関連の本は処分できず、また、ドイルの版権の切れた今、ホームズ本は次々と出版されます。場所的にも、金銭的にも悩ましい限りです。
 わたしめなど、本の収集家を自任するほどのものではないので、「床が抜けるほどの本」を集める人を尊敬してしまうのです。
 しかし、放映が進むにつれて「??」マークが出てきました。その方は本を集めるだけで決して読まない「保存マニア」なんだそうです。本を買って持っているだけで満足なんだそう。それって、もったいなくない??
 プラモデルとかフィギュアの収集をする人の中には使うものと保存するもの必ず2つ買う人がいるそうですが、この方は持っているだけで満足されていたようです。落ちた本を見てもきちんと包装され、本屋さんのバックに入ったままでした。稀覯本を収集するというわけでもなく、本を並べて美術品のように鑑賞していたわけでもなさそうです。
 本を集める人は本を読むのが好きな人だと思っていました。買ったままで手を付けないで、何が楽しいのだろう、と考えてしまいました。長年の間、時間とお金をかけて本を買って自宅の二階にそのまま積み上げていたのです。いろんな「マニア」が世の中にはいるもんですね。
 その人がそれで満足されていたのなら、他人がどうこう言うことではありません。わたしめは基本、買った本は読みます。本は読むためのもの、物語や情報を詰め込んだものと思うのです。図書館や本屋に並ぶ本の背表紙を見ると膨大な量の物語があるのだと想像して呆然とします。その中で私が手に取るのはほんの一部です。
 近頃は買って自分のものにする本はどうしても選ばざるを得ません。ホームズ関連と思われるものも、前のように無差別に買うことはなくなりました。
 「探偵ナイトスクープ」の依頼者の方は落ちた大量の本を業者に売って、残したい本だけにし、その本を寝床の周りにぎっちりと飾っておられました。その様子を変だと思う方は多いでしょうが、私はな~~んとなくうらやましいと思うのでした。

2021年04月14日

4月1日です

 フジテレビで放送された、「シャーロック-アントールドストーリーズ」が映画化されるということはすでにご存じだと思います。ディーン・フジオカ演じる誉獅子雄と岩田剛典演じる元医師の若宮潤一がホームズの「語られざる物語」を元にした事件を解決していくという、ホームズファンにはたまらないドラマシリーズでした。
 ところで、なんと、そのドラマをイメージしたゲームが制作されるということがわかりました!!。
 任天堂がゲーム機「ニンテンドースイッチ」用に開発する謎解きアドベンチャーゲームになるようです。登場人物はドラマそのままで、アニメ画になるようです。
 ニンテンドーではすでにDSソフトでホームズを思わせる「レイトン教授」を主人公にした謎解きアドベンチャーゲームのシリーズが発売されており、面白いゲームを期待できそうです。。

…と、そういうことでエイプリルフールのお知らせでした!!
 はい、わたくしめの願望がどっさり入ったフェイクなニュースであります。怒らんとって下さい。本日は「エイプリルフール」でありますし。
 実は、以前、わたしめがとあるゲームの掲示板に書き込んだエイプリルフールの書き込みが本当になったことがあります。(これはうそやないです)

 もう20年も前、わたくしめはとあるTVゲームにドはまりしていました。聞けば、知っている方もいると思います。はい、スクエアエニックスの看板RPGゲームです。私はゲームのファンのパソコン会議室(そういう時代です)に入会し、二次創作を書き込み、自分のHPを立ち上げたりしていました。
 その会議室のチャットでそのゲームのストーリーにとって重要な存在ながら、主人公の回想でちょいとしか出てこないキャラクターが話題になり、ファンクラブまでできました。
 そこでわたしめが4月1日、HPの掲示板にそのキャラクターが主役のゲームがスクエアから発売される、と書き込んだのです。
 で、私ともう一人の物好きが「ザックスRPG」と銘打ってストーリーを書きました。ゲームの会議室での評判は上々でありました。(ザックスと言ったら、はい、最近リメイクもされたあのゲームですね)でも、あくまでファン会議室での話でありました。
 しかしです!!なんとその後本当にザックスが主人公のRPGゲームが発売されたんです。もちろん、ストーリーなんかは私が勝手に書いたものとは違います。でも、これが本当の嘘から出た誠か、と未だに思っています。
 声を上げれば本当になるなら、「シャーロック」のゲームもできるかな~~、でもシャーロックホームズのゲームはすでにたくさんあります。どれかにチャレンジしてみますか。

2021年04月01日

あかね書房 少年少女世界推理文学全集

先日、借り出した本を返却しに市の図書館に行きました。そして、いつものように無償で譲ってもらえる「リサイクル本」のワゴンを覗きに行きました。前に掘り出し物を見つけてから習い性のようになっているのです。
 そこで思わず「うそでしょう!!」と声を上げてしまいました。なんとそこにあの、あかね書房版の少年少女世界推理文学全集のうち8冊がずらりと並んでいたんです!!!信じられません!
「本当にこれ、いただいていいんですか?」と職員の方に確かめ、トートバックに入れる手が震えました。
 図書館蔵書の払い下げ。あちこちシミだらけ。ページも変色した古い児童書に何を興奮しているかって?この子供むけ推理小説全集こそ、わたしめのミステリー好きの原点なんです。

 この本に出合ったのは遠い過去、小学校の図書室でした。子供用のミステリーの本は他にもありましたが、いかにも的などぎつい表紙の本が多い中、モダンでしゃれたデザインとイラストに惹かれました。
 そして、全20巻の内容も後から思えばすごいラインナップだったのです。
 アガサ・クリスティー、エラリー・クィーン、ヴァン・ダイン、クロフツ、ディクスン・カー、等々ミステリーの巨匠達の名作がずらり。もちろん、シャーロック・ホームズも。ホームズ物は2巻ありました。
 小学生の私はこの全集でミステリーにどっぷりとはまりました。借り出せる冊数は限られていたので、他の子に借りられるのがいやで次に借りたい本を本棚の後ろに隠す、というこすっからい手も使いました。そして、その大好きな本を自分のものにしたくて、小遣いやお年玉で少しずつ買い集めたのです。(そのころから本の収集癖があったらしい)
 あかね書房の推理小説全集で読んだ作家はシャーロック・ホームズについては言うまでもなく、今も大好きです。あれから、ん~~十年の間に読み貯めたミステリー本は本棚を埋めています。しかし、あかね書房の本はありませんでした。
 私が結婚して家を出た後、母が残していった私の本を処分してしまったのです。私がそれに気が付いた時にはすでにあかね書房の推理小説全集は絶番になってしまっていました。
 その後、仏滅会で大阪の中央図書館の地下書庫を見学する機会がありました。そこでたまたま、あの全集が所蔵されているのを見たのです。子供のころのどきどきが蘇りました。
 あかね書房版少年少女世界推理文学全集をもう一度手に入れたい!そう思いました。しかし、古い本ですので古本屋にもなく、ネットではかなりの高額になっていました。
 今はもう亡い母を恨んでも仕方なく、手に入れるのはあきらめていました。その本が8冊もそろって目の前にあったら、それは叫ぶでしょう?もう、神や仏に感謝するしかありません。
 今、なつかしい本を開いて裏表紙に貼られた古めかしい貸出票や誰かがつけたページのシミもほほえましく見ています。長い年月の間にかつての私のようにこの本を楽しんだ子供たちがいたのです。

 さて、この文章を終わって本を読みましょう。あかね書房版少年少女世界推理文学全集、第2巻「シャーロック・ホームズの冒険」中の「バスカービル家の魔犬」もいよいよクライマックスです。

2021年03月23日

本を読むこと

 少し前にテレビでやっていた、漫画配信サイトのCMで気になるものがありました。楽しそうにスマホでマンガを読んでいる女性に近づいた上司らしい男性が、「これ、おすすめ」とか言って手に持った何かの啓発本らしい本でその子の頭をパンパンとはたきます。女性はその場はひきつった笑い顔でごまかしますが、「やっとられん。」と言いながら自宅でまたマンガを読みます。
 私はその上司をどついてやりたくなりました。マンガ読んで何が悪いねん、小難しい本を読むのがえらいんかい!だいたい、人の頭を本でたたくなんぞ失礼やない!上から目線もいいとこやけど、やってること上等やないで。と、まあそのCMの女性の心の内を思いやったわけです。
 しかし、こういうことは世の中にままあるわけです。わたしめも子供のころは「マンガばっかり読んでいたら、あほになる。本を読みなさい。」と親に言われていました。あの上司と同じように、そのころはみんなマンガを一段低いものと見ていたのです。そういういう私も知人の家などでマンガ本ばかり並んでいるのを見ると、ちょこっと情けないなどと思ったりしました。自分の家の本棚にもマンガ本がいっぱいあったにもかかわらず、です。
 今では漫画は日本の文化の一つとして認められ、子供のものとされていたアニメは日本が世界に誇るものとされています。大英博物館では日本のコミックの特別展示を見て、誇らしく思いました。漫画原作のドラマや映画も多く作られてストーリー的にも素晴らしい作品があります。
 文字の本のほうが漫画よりも優れている、とは言えないと思います。同じように「仕事に役立つ」本、「勉強になる本」を読む方が楽しみのための小説本などを読むより上等だということも言えないと思います。
 自分を高めるために啓発本を読むもよし、楽しみのために小説やマンガを読むも良し、その人の興味を満たしてくれる読書が一番です。
 …と、いうことで~~~今日もわたしめは楽しくミステリ本を読むのです。(結局、言い訳かいな)

2021年03月03日

冬至です。

 今日は冬至です。買い物に行って、しっかりゆずと南京を買ってきました。普段、あんまし古い慣習に興味はないくせに、なんとなく従ってしまうのは、わたしめの日本人のDNAのせいなんでしょうか。
 で、冬至です。ユルタイドです。キリスト教ではクリスマスの季節です。この最も日の短い、暗い季節に最も重要な、かつ楽しいお祭りがあるんです。もともとは北欧のゲルマン民族の冬至のお祭りと一緒になっているらしいですが、日本の橙やゆずが太陽を表すようにやはり太陽への信仰の表れなんでしょう。
 北の国のほとんど太陽の昇らない一番暗い日に明かりをともして家族で楽しい時間を過ごす。翌日からはだんだんと日が長くなります。明るい春への希望の生まれる日です。
 でも、今年コロナ禍でドイツなどではクリスマスマーケットが中止になっているらしいです。
 「ナルニア国物語」の「ライオンと魔女」で白い魔女のせいで冬に閉じ込められているナルニアで「冬なのにクリスマスが来ない」と住民が嘆きます。
 長くつらい冬を暮らす心の支えがイルミネーションきらめくクリスマスなのに今年は寂しい限りです。
 でも、冬至が過ぎればまた太陽が復活するように、いつかはコロナ禍を乗り越えて皆で楽しめる日が来ます。それまで、しばらくがまんです。
 さて、南京をどうしてくれよう。煮てみますか、てんぷらもいいな。

2020年12月21日

「ここよ!」の旅行

 海外旅行の話になりました。実は以前、ロンドンに行ったことがあります。
 関西支部の30周年記念行事としてスイスとイギリスへの旅に参加しました。スイスはマイリンゲンへ、そしてロンドンへ。ホームズ物語の「聖地巡礼」ですね。
 物語の中の風景を実際に観て、感動もひとしおでした。ロンドンはホームズ物語の他にも多くの物語の舞台になっています。その街を自分の足で歩き回れるのは夢のようでした。
 あちらこちら、妙な場所で「あれは、ここよ!!」と喜んでいるアジア系(おばはん)観光客は、はたからみると変なやつだったかもしれませんが、ホームズ譚の聖地ですもの、喜ばなくてどうしましょう。
 で、帰りの飛行機の中で日本からの団体旅行のおばさまたちに会いました。同じおばはんの気安さで「ロンドンはどちらを見られました?」と聞いたところ、「覚えていない。」との答え。衝撃を受けました。ロンドンをいっぱい観光して印象に残っていない???
 何でやねん!です。バッキンガム宮殿も行かれたでしょう?ビックベンもタワーブリッジも見たでしょう?きっと私より多くの名所旧跡を回ったはずなのに??
 次に行ったのは家族旅行で中央ヨーロッパでした。お仕着せの団体旅行でしたが、私が若いころから行きたかったドイツはポツダムに行けるというので参加しました。
 ポツダムのサンスーシー宮殿では、昔私のヒーローだった、フリードリヒ大王の墓に参ることができました。(残念ながら、ジャガイモをお供えすることはできなかった)
 そして、オーストリア、チェコ、ハンガリーと回ったわけですが、やっぱり一番感動し、印象に残ったのはポツダムのサンスーシー宮殿でした。ウィーンの大宮殿やハルシュタットの絶景よりも、ブダペストの輝く夜景よりも、庭園の片隅にある墓に参ったことが一番の思い出です。
 で、気が付きました。旅の感動は自分の思い入れに比例すると。自分が「ここよ!!」と思えることが感動となって記憶に残るのだと。ロンドンの観光名所が記憶に残らなかったおばさま達はあの街にあまり思い入れはなかったのかも。
 せっかく高いお金を払って旅行に行くのなら、感動は多いほうがいいに決まってます。元取り精神旺盛な大阪のおばはんは「ここよ!」と叫ぶ場所を増やすために一大決心をしたのです。旅行先に関する知識を持つこと。興味を増やすこと。その手段として「世界遺産検定」を受けることにしたんです。おかげで世界中に私の「聖地」ができました。死ぬまでにこの目で見て、「ここよ!」と叫びたい場所が。
 でも、今年はコロナ禍のために旅行はできなくなりました。
 疫病の流行で深刻な影響を受けている人も多い中、旅行に行けないなどは小さいことなのかもしれませんが、いつか、ロンドンの裏通りで、ダートムアの荒れ地で、「ここよ!!」と叫びたいのです。

2020年12月16日

ロンドンに行きたし、と思えども

さて、コロナ禍なのです。オリンピックさえ延期され、この島国から出る、どころか近隣の他県に行くのも、気が引ける世の中、ヨーロッパの大都はあまりにも遠い。
しかし、今すぐにでもその街に行ける手段は無いでもない。つまり、脳内で。
テレビを観れば、旅行番組もありますし、近頃は旅行会社がバーチャルな旅行と称してその土地の様子をライブで配信しているようです。
でも、シャーロック・ホームズの本を開けば、時空を超えたロンドンに行けます。ロンドンが一番華やかだったヴィクトリア朝のロンドン。世界中の富と人を集めて数々の文化が栄え、またそのほの暗い裏側では霧の小路をひっそりと行く犯罪者達。今より優雅で猥雑で混とんとしたロンドンに今すぐ行けます。
そして…。また旅行に出られるようになったら、脳の中で描いた街に行きましょう。その街の空気を、音を、確かめに。
ロンドン、行きたいなあ~~~。

2020年12月13日

電車内で

 たまの外出、郊外のわが街から都会へ向かう電車の中。私の前に立った小学校中学年くらいの男の子が、一心に本を読んでいる。多くの人たちがスマホに目を向ける中、揺れる電車の中で何を読んでいるのだろう、と見ると、青い鳥文庫の「バスカビルの犬」だった。
 少年よ、私は君がうらやましい。きっと初めて「バスカヴィル」を読む君が。面白いよね、君は今、混みあった電車の中ではなく、ほの暗い荒れ地のダートムアにいるんだ。遠くに不吉な犬の遠吠えが聞こえる。わくわくするよね。
 そうだ、私も遠い昔、この少年くらいの年にホームズと出会った。小学校の旧校舎、黒ずんだ木の床がきしむ図書室の棚で。ポプラ社の子供向けミステリ全集をちょっと怖そうな表紙につられて借り出した。それから、あのあかね書房の少年少女推理文学全集。モダンな装丁とイラストに狂喜した。
 借り出せる冊数が限られていたので、次の巻を他の子に借りられないように次の貸出日まで本箱の裏に隠す、という姑息な手段まで使って読みふけったっけ。
 あかね書房の全集に入っていた、クィーンやクリスティ、カーなどは今も好きな作家だ。そして、なんといってもホームズ!!ホームズの正典を初めて読んでいた私は何と幸せだったのだろう。ヴィクトリア朝のロンドン、入り組んだ街並みを駆ける、ホームズと相棒のワトソン医師。ページをめくるとすばらしい冒険が私を待っていた。
 あれから何十年もたった。コナン・ドイルのホームズ物語は長編、短編合わせて60篇しかない。ホームズ読みたさにパロディやパスティッシュに手を出した。漫画や映画もみた。
 しかし、あの子供のころのあのわくわくはあまり感じなくなった。どこか醒めた目で本を読んでいることに気付く。頭の中に溜まった澱のような知識が正典を読み返している時でさえ、顔を出す。
 少年よ、願わくばホームズ物語を読み続けてほしい。まっさらな心でホームズの冒険を楽しんでほしい。君の前の座席に座っている見知らぬおばはんは、君がうらやましくてならないのだ。

2020年09月27日

シャーロッキアン、あるある。

☆ホームズ、とあるとたとえ不動産屋やリフォーム会社の名であろうと反応してしまう。
☆本屋や図書館の棚にホームズ関連本を見つけると、向こうから呼ばれた、と思う。
☆熱帯雨林などの通販サイトのおすすめが、ホームズ関連ばっかりになっている。
☆インバネスやディアストーカーを着ているキャラクターの絵や写真はすべてホームズ関連である。
☆本や、漫画で一行でもホームズに触れられている本はホームズ関連本である。
☆ということで、まるで内容はホームズ物語と関係ない本でも買ってしまう。
☆テレビ放送等でドイルやホームズに少しでもふれると、周りに解説をしたくなる。
☆221という数字に異常にこだわる。
☆ホームズは名探偵の代名詞であり、だれもが知っていると信じている。
 他にもいろいろありますが、今思いついただけ書きました。あなたも当てはまりませんか?ほら、もうシャーロッキアンの一員です。

2020年09月13日

シャーロッキアンとは?

 さて、シャーロッキアンの方々が参加されているJSHC関西支部のHPである、「ウエスト ホームズ」の管理人室から、皆様のそしりをも恐れず書いております。
 シャーロッキアンってどんなイメージ?コナン・ドイルの書いた「シャーロック・ホームズ」長編、短編60篇を「聖典」と呼び、暗記するまで読み込み、物語の中の物事にについて延々と議論し、「学術的な」論文を書いている。というような感じでしょうか。
 私は東京のほうの例会には行ったことがないので、関西支部例会「仏滅会」についていえばそんなに堅苦しいもんやないです。もちろん、ホームズについての「研究発表」をされる方は驚くほどの深い知識を持たれています。しかし、わたしめもそうですが、基本、ホームズファンがホームズをだしにして楽しんでいる、という感じです。(特に二次会の飲み会を♡)
 以前私めはとあるゲームのオンライン会議室の「OFF会」に参加したことがあるんですが、雰囲気はおんなしでした。それについてのファンが集まってわいわい楽しむ会です。
 色々うんちくを傾けあったり、集めたグッズを自慢したり。好きなことの話しなら盛り上がりますよね。
 シャーロッキアン、と言っても、先に鉄道ファンにもいろんな「オタ」がいる、と書きましたように色々な方がおられます。
 皆さん、聖典を読み込まれているのはもちろんですが、その中でもホームズが好きな方、ワトスン先生が好きな方、など登場人物に興味を持たれている方。また作者のドイルに興味を持たれている方。ホームズの活躍したヴィクトリア朝の英国に興味を持たれている方。中には英国の鉄道に関して立派な著作をなされている方もいます。
 また、ホームズが好きといっても聖典が好きというだけではなく、テレビドラマや映画のホームズ物、漫画やアニメで興味を持たれた方も多くおられます。
 きっかけが何であれ、何に一番興味を持っているかはどうであれ、ホームズの物語を愛し、その世界に浸れる方がシャーロッキアンなんです。 
 …はい?ここを見に来る方々はたいがいJSHCの会員さんやから、そんなことぐらいわかってるって??
 いえ、ここではいわゆる、「一般の方」に向け、ホームズ物語のことを書こうとしてるわけで…。(汗)すんません。

2020年08月24日

オタクとは?

 先のホームズクラブについての記事で「ホームズのオタクのことをシャーロッキアンという」と書いてしまいました。世のシャーロッキアンの方々の中にはいわゆる、「オタク」と一緒にされて気を悪くなさっている方もいるのでは、と思います。
 「オタク」のイメージとしては緩んだ体形に身なりはあまり構わず、「押し」のキャラクターグッズをぶら下げたリュックをしょって、アキハバラか日本橋あたりをうろついている、というイメージでしょうか。「シャーロッキアン」に対してかっこいい感じではありません。
 わたしめの思う「オタク」は一つの自分が大好きなもの、興味を持つものに全力を傾け、それを体験したり、知識を得ることに喜びを感じる人々のことです。
 またしても、テレビからの受け売りを許してもらえれば、クイズ「99人の壁」で登場するチャレンジャーの方々をみれば、そのジャンルの多さに驚きます。よく言う、鉄道オタクにしても、列車に乗ることが好きな「乗り鉄」や、写真を撮るのが好きな「撮り鉄」と呼ばれる方々、また車両に関する知識や全国の駅に詳しい方々、等色々な「鉄オタ」がいます。
 小さなお子さんが大人も顔負けの知識を披露し、負けると本気で悔しがる。オタクとはだれに強要されることもなく自分の興味を追及して、楽しく知識を広げておられる人たちだと思うのです。それが他の誰かにとっては些末な事でどうしてそんなものに興味を?と思われようとも、その人にとっては全身全霊を傾けるべきテーマであるのです。
 わたしめはそんなオタクな方々を尊敬します。人生において、そういうテーマを見つけられたことをうらやましいと思います。
 え?お前はどうなんだって?わたしなんかとてもとても。色々と興味のあることはありますが、どれをとってももっと上の知識を持っていらっしゃる方がたくさんいて、オタクを自称するほどの自信はありません。
 で、次はホームズ命なシャーロッキアンの方々について勝手なことを書いてみようかな~~~。叱られるの確実やなあ( ̄▽ ̄;)

2020年08月04日

シャーロックホームズクラブとは?

 このHPに来ていただける方々は、もちろんシャーロック・ホームズがお好きな方だと思います。JSHCの関西支部の公式HPでありますし。
 世の中には色々な趣味の方がいらっしゃって、特にあるジャンルを深く愛する方々は、なになにオタクと呼ばれています。テレビで放送されているクイズ番組「99人の壁」なんかではほんとうに色々な「オタク」の方が出てこられて、我々部外者にはなんでそんなことまで、と驚くような知識を披露されています。
 ホームズの「オタク」の方はシャーロッキアンと呼ばれます。ホームズとその物語を深く愛し、ホームズに関する深く、広い知識を持っている。そういうイメージですね。
 そのシャーロッキアン達が作っているのが今や世界のあちこちにある「シャーロック・ホームズ クラブ」であるわけです。有名な「ベイカーストリート イレギュラーズ」「ロンドン シャーロック・ホームズ協会」などは高名な作家さんや学者さんなど、そうそうたる面々が会員となってホームズに関する「研究」にいそしんでいる、というイメージです。
 日本にも「日本シャーロックホームズクラブ」(JSHC)があって、機関誌や研究書などを発行しています。もちろん、名のある作家さんや学者さんも参加されています。でも…ここが問題です。この私めも会員の一人なんです!
 わたくしめはもちろん、ホームズの物語は子供のころから大好きですし、ホームズ物の書籍で棚を埋めたりはしています。しかし、単に物語を楽しむだけで深い知識など持ち合わせていませんし、「研究」にあたるようなこともしていません。で、わたくしめなどとうていホームズオタクではなく、「シャーロッキアン」などと自称できようもありません。海外の特に由緒あるクラブは会員になるには難しい資格や論文の提出などの必要があり、会員と認められるだけでかなりな名誉である、らしいです。らしいというのはわたしめ、伝聞でしかない知識であって、これまでホームズクラブを舞台にした小説(あるから怖い)なんかからしか想像していないからです。すいません。
 わが、JSHCについても同じであって、入会には論文の提出が必要であるとか、ホームズに関するテストが出されるとかいううわさが流れています。中にはランダムに選ばれた会員と対決して勝たねばならない(ライヘンバッハの滝で!?)という大変な試練があると心配されている方もいました。
 そんな資格試験があるなら、わたしめがここで管理人をやっているわけがありません。JSHCの会員になるためにはホームズへの愛と年会費(そんなに高くないです)を払う財力があればすむのです。JSHCはホームズのファンならどなたでも受け入れています。おかげさまで世界のホームズクラブの中でも会員数の多いクラブとなっています。ホームズの物語がお好きな方はどうぞお仲間になってください。ただし…沼は沼ですぞ~~世界中にシャーロッキアンというオタクを作り出すホームズの世界という沼は…深いです。

2020年08月03日

執事登場

どんどん!!!!
 ん??なんやうるさいなあ今開けますがな。
バタン!
執事「こら!何をやってる、また談話室の掃除をさぼったな、またややこしい書き込みがあったぞ。」
 すんません、ちょっと忙しいんで。かきかき…。
執事「さぼって何を書いている!!早く片付けないとお客様方に迷惑ではないか。」
 いや、管理人室からホームズについての記事を書こうと思って…。」
執事「えええええ!!お前が???。JSHCの会員と言いながら、ろくな活躍もしないお前がシャーロッキアンの方々が多く閲覧されるこのHPに何を書くというのだ!!。さ、早くほうきとちりとり持って談話室に行くんだ。」
 まあ、そうなんすけどね~~~。ここ、もう少し気軽な、というか笑える、というかそういうページもあった方がいいかな、なんて思ってですね、私め、なんか書いてみようと思っているわけですわ。
執事「笑えるだと??人を笑わそうとするのは大阪人の性だな。しかし、お前なんかが記事を書くと、このHPの品位が下がるではないか。そら、ほうき!。」
 わかりましたよ、今迷惑コメント片付けに行きますよ。ほんとに人使い荒いんやから。…しかしほんまにちょっとは気い抜けるような場所もあってもいいんちゃうん。
 とゆうことで皆様方の顰蹙も恐れず勝手な記事を書こうとしている管理人兼雑用係であります。

2020年07月13日

管理人室より

管理人室看板

 え~~~、ここはウエストホームズのすみっこにある、管理人室です。
 JSHCの端っこ会員でHPの管理人兼雑用係であるGATTYOが潜んでいます。ここからややこしいつぶやきを発していきたいと思います。お暇な方、よかったらお立ち寄りください。
ただいま記事を準備中ですしばしお待ちください。え??だれも期待なんかしてない?(>_<)

2020年07月13日