夢の国のホームズ

宙組公演ポスター

 宝塚歌劇宙組公演「シャーロック・ホームズ」を観て来ました。なんと!このわたしめが宝塚歌劇を、です。関西に住みながら、昔から女性ばかりの派手派手しい世界にはついてゆけない、と思っていたのに、です。演目が「ホームズ」でなければ興味も持たず、たまたまキャンセルされたチケットを手に入れなければ観てはいないでしょう。
と、いうわけで先日、宝塚大劇場まで出かけました。やはり、女性客が多く、グッズ売り場もかわいらしい物が多いです。宝塚のファンではないわたしめは少し気後れを感じてしまいます。
 さて、舞台は…。
 ヴィクトリア朝のロンドンの街、大勢の市民が切り裂きジャックが新聞社に犯行予告を出したというニュースに騒いでいます。迫力ある群舞です。そして、なかなかに凝った舞台装置で、舞台上のロンドンの街並みがぐるりと回転するといきなり、「221B」の文字が。そこにホームズとワトスンの部屋が現れます。
 早い舞台展開と素晴らしい音楽、ダンスとなかなかに引き込まれるミュージカルでした。もともと、男性の登場人物の多いホームズの物語ですが、女性が演じる彼らも慣れると気になりません。ホームズ役のトップスター真風涼帆さんが演じるホームズはやたらとかっこいい。
 ストーリーはホームズ物語の色々な要素をたっぷり取り込んで宝塚らしい恋愛劇も盛り込んでいます。冒頭の切り裂きジャックの正体、ホームズの女性嫌いなわけ、などホームズファンのわたしめにも興味深いです。最後はあの「ライヘンバッハの滝」でのモリアーティとの一騎打ちも!
 華やかな舞台に繰り広げられる、きらっきらのミュージカルでありました。
 次のレビュー「デリシュー!」もこれぞ、宝塚という華やかさで、美しい夢のような舞台でした。
 しばし、この世にはありえない夢の世界に遊ばせてくれる、それが宝塚歌劇なのでしょう。と、ちょっとはその魅力がわかった気になりました。

2021年07月21日