273回仏滅会報告

8月仏滅会報告 古田リツ子

8月4日(日)、第273回仏滅会が箕面萱野駅すぐ近くのみのお市民活動センターで開催されました。最高気温35度を軽く超える酷暑の中、多数の方が参加されていました。北大阪急行線が箕面まで延びていたことを今回初めて知り、もちろん終点箕面萱野駅には初めて訪れました。山が近いので少しは涼しいのかと予想して行きましたが、大阪の街中と同じくらい暑かったです。
 ひとつめの発表は高尾菜つこさん「翻訳者の仕事部屋~『シャーロック・ホームズとジェレミー・ブレット』~」。発表タイトルからもわかるように、高尾さんは『シャーロック・ホームズとジェレミー・ブレット』の翻訳者であり、今回はその舞台裏をたっぷりご紹介いただきました。レジュメは、封蝋付き封筒(もどき)入りであることからはじまり、様々な趣向を凝らした素敵なもので、まずはこれだけでもワクワクします。この本の翻訳を考えた背景から出版にこぎつけるまで、そして調査・翻訳、最後に本書の読みどころと、ご本人とさらには聴衆側の情熱までが伝わってくる発表でした。個人的には「翻訳作業の7~8割はリサーチ作業」だとおっしゃっていたのが印象深かったです。確かに事実確認の範囲は膨大なものなんでしょうね。また、ベルギーも大好きな私としては、高尾さんは元々アガサ・クリスティーファンで「ポワロと私」も翻訳されているというお話をうかがい嬉しく思いました(ポワロはベルギー人)。申し訳ないことにまだ本は読んでいませんが、図書館に予約済みです。順番が回ってくる日を楽しみにしています。
 休憩をはさみ近況報告と情報交換。毎回いろいろな報告がありますが、今回、私自分も含めて海外に行かれた方が多かったように思います。皆さん海外旅行もそろそろ復活でしょうか。またいつものとおり、多くの本を紹介していただきました。この方々の本棚はきっと本であふれかえっているのだろうなと想像しています。
 そしてふたつめの発表は田村耕三さん「ゲームの勝ち方・負け方」。トランプ・ゲームのお話です。ホイストからブリッジにいたるゲームの歴史に始まり、とても難解な得点計算の紹介などでした。正直、子供のころに経験したババ抜き、神経衰弱といった遊び程度の知識しかない身としては本当に難しく・・・。『空き家の冒険』でモラン大佐、ロナルド・アデア卿たちがプレイしていたのがホイスト。どんなゲームなのかを知っていれば、物語をより楽しめるのかもしれませんね。田村さんの「ゲームには記憶力と洞察力が大事」という言葉が心に残りました。
 その後は、近くのイタリアンレストランで二次会でした。仏滅会の終了直前、雨の音とともに雷が鳴り響いて一瞬停電がありびっくりしましたが、二次会会場に移動する際には雨もほぼ止み問題なく、ホッとしました。参加者は15人ほどで、食べきれないくらいのたくさんの美味しい料理とホームズ関連はじめ様々な話題で盛り上がりました

※当日高尾さん作成・配布された特製発表レジメケース