4月仏滅会報告
外海弘美子
桜満開の晴天の日、今回の仏滅会はオープンキャンパスでにぎわう甲南大学の会議室をお借りして開催されました。残念ながら221教室は高校生が使用してお借りすることができませんでしたが、笑顔で対応しておられたオープンキャンパスのスタッフさんのおかげで、仏滅会参加者は気軽に三号館の場所をおたずねすることができて、大変助かりました。ご迷惑おかけし、ありがとうございました。
最初の発表は、林庄宏さんの「シャーロック・ホームズと私の英語」。学生時代からホームズを原書で勉強されたとのことで、その時お使いになられた、山崎真「新々 英文解釈研究」の紹介がありました。ホームズの物語は読めば読むほど気になることが出てくるようです。今はパソコンがあって、ネットがあって、手段が多くあり簡単に調べられるようになったとのことですが、知れば知るほど気になることが増え、好奇心が刺激されるようです。もちろん英文で読まれて、のお話でしたが、日本語でも読むのが大変な私にとっては雲の上のようなお話でした。原文にチャレンジされている方は、短編から始めたらいいとのことでした。
独特の発音のため、知っていないと悩まされるのがロンドンの下町言葉、コックニーです。ホームズもウィギンズ相手に使用していたようです。ジョージ・バーナード・ショー原作の映画「マイフェアレディ」でもイライザがコックニーを矯正されているシーンは有名ですよね。いただいたレジメの最後に映画のワンシーンの写真があって、その写真には若かりし日のジェレミー・ブレッドが映ってました。これはハンサム!ジェレミー・ブレッドといえば、「シャーロック・ホームズとジェレミー・ブレッド」の翻訳をされた、高尾菜つこ先生がご夫婦でお越しくださいました。翻訳の裏話とかお聞きしたかったのですが、またいつかお伺いする機会があればと思います。お二人とも素敵な装いでエレガントなご夫婦でした。
近況自己紹介で、グラナダTVのシャーロック・ホームズが放映40周年らしく、イギリスでイベントがあると情報をいただきました。また吉本研作さんの本がいよいよ出版されます。吉本さんにはこれまでほら話でけむに巻かれていたので、フェイクニュース疑惑もありましたが、表紙のサンプルも見せていただきました。・・・。いえいえ本を手にするまで、フェイクニュース疑惑中です。五月に行われる追分フォーラムの案内を校長を務められる中尾先生から案内がありました。いつものように二日目にはホームズ像までピクニックだそうです。楽しみですよね。
後半は東京から初参加された間々田正子さんの「《緋色の研究》の裏話」でした。ドイルが「緋色の研究」を書いた時代や生い立ちなどをコンパクトにお話しして下さいました。医学生時代にホームズのモデルと言われているベル教授と出会ったドイルは、マンチェスター市の警察官ジェローム・カシーダと知り合いになるなど、当時のイギリスを吸収して、ホームズの物語を書いたのではないかとのことでした。林さんのひとつひとつの言葉に興味を持たれて、掘り下げていく楽しみ。間々田さんのドイルを中心に19世紀末のイギリスへの関心を広くひろげていく楽しみ。ホームズの楽しみ方はその人によっていろいろあるのだと知りました。
その後は、有志で大学構内にあるカフェで二次会です。頭を使った後のお酒はたまりません! 満足満足の一日でした。