「2月は逃げる」との言葉がある。
何かとあわただしい年末12月、お正月を迎え新年網何かと多用、2月に入り少しはホッとしたところでカレンダーを見るとすぐ月末となる。1月も3月も31日まであるが、2月は名坂28日である。「2月は逃げる」という言葉は、日本人の季節感をまさに示すもので、英国にもホームズにもない表現であろう。
ロンドンの2月は重い霧の中、「霧のロンドン」などと歌に唄われたが、実はスモッグ、工場の煙、汽船や汽車の煙、家事や暖房すべて石炭をくべていたのである。流石にホームズは郊外で「気持ちの良い清い空気の中で何時間化を過ごすことができた」と述懐する場面があるが、一般市民は不健康な空気の下で暮らしていたのである。欧米の人が春を待つ心はメイデイであろうか。
ホームズにはあまり似合わないが、春の野山に出て待ちわびた陽光を楽しむ。